神戸大学の平島正則博士は、澁谷正史研究所長と共同で研究をおこない、血管新生因子受容体Flt1/VEGFR1遺伝子の1コピーが欠損したマウスでは、胎生後期に浮腫が生じること、これが浮腫を生じる他の遺伝子変異と重複した場合には胎生致死に至ることを明らかにしました。ヒトにおける胎生致死の一部にこれらの分子機構が関与するか、今後の重要な検討課題です。なお、Flt1/VEGFR1遺伝子は澁谷研究所長が1990年に初めて見出し、世界に報告したものです。
論文:
Otowa Y, Moriwaki K, Sano K, Shirakabe M, Yonemura S, Shibuya M, Rossant J, Suda T, Kakeji Y, Hirashima M. Flt1/VEGFR1 heterozygosity causes transient embryonic edema. Sci Rep. 2016 Jun 2;6:27186. doi: 10.1038/srep27186.
さらに、澁谷正史研究所長はドイツ・ミュンスター大学のMikesch博士からの要請により、MTA締結のもとで研究マテリアルの譲渡を行いました。
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