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研究・活動報告

2021/1/21

 

「妊娠高血圧症候群の病態理解について、
澁谷医学生理学研究所長は邦文総説を発表しました。」  

 

  澁谷医学生理学研究所長は邦文科学雑誌Medical Science Digest社からの要請を受け、妊娠高血圧症候群の病態理解と新しい治療標的について、邦文総説論文を発表しました。妊娠高血圧症候群は産科でも症例数の多い重要な疾患ですが、まだ有効な治療薬が創られていません。本疾患に深く関与すると考えられているsFLT1タンパクが低酸素条件下において発現上昇する分子機構について、当研究所は2018年に転写因子HIF2aが重要な働きをすることを明らかにして国際学術誌に報告しました(Sasagawa et al. Sci. Rep. 2018)。今回の総説は、その解説も含み、本疾患の新しい治療法を示唆するものです。FLT1遺伝子は、澁谷正史研究所長が1990年(東京大学医科学研究所在任中)に発見し、FLT1と命名して世界に報告した遺伝子です。


論文:「低酸素条件下でのHIF2aによる栄養膜細胞のFLT1遺伝子発現機構の解明 ---- 妊娠高血圧症候群の病態を理解するために--- 」2021年47巻1月号Medical Science Digest (P.60-63)