林泰秀副学長は、新型コロナウイルスの小児感染に関する研究について川野財団に研究費の申請を行い、採択されました。なお、試料を用いた実際の研究は共同研究先の群馬県衛生環境研究所(塚越研究員)と、県立小児医療センターの感染免疫科(山田先生:研究代表者)で行い、患者検体が本学研究所に持ち込まれることはありません。林副学長は、外部機関で研究指導を行います。研究内容は下記の通りです。
記
小児に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染に対する耐性をもたらす因子の検討」というタイトルで、群馬県立小児医療センター、群馬県衛生環境研究所との共同研究で川野小児医学奨学財団から研究助成金を受けました。
小児のコロナウイルス感染症(COVID-19)は軽症例が多く、また小児に限らずアジアでは欧米に比べて死亡例は少ない。そのため日本人(アジア・小児)はCOVID-19に対する耐性機序の存在が想定され、その解明が治療にもつながると考えられる。実際には、1)SARS-CoV-2が感染する上皮細胞のACE2受容体が小児では未発達であることの確認 2)CD8+Tリンパ球など血球側の因子の検索 3)サイトカイン・ケモカインなどの液性因子の検索 4)COVID-19で小児に好発する川崎病に類似した症状や成人の血栓症がみられることより、ウイルス感染後の血管内皮細胞の検索 5)唾液中にも存在することより患者の唾液を集めてサイトカイン・ケモカインの測定等を行う予定である。
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